結婚指輪や婚約指輪を誰もが10年以内に必ずサイズ直しをする理由と直すタイミング




 

何年も前に購入した婚約指輪や結婚指輪が、今は指に入らなくてタンスの肥やしになっている。

そんな方が非常に多いのではないでしょうか?

僕が仕事として請け負うサイズ直し修理のお客のほとんどが、そうした状態で持ち込みされます。

そして今までの修理やメンテナンスの経験上、大半の方が婚約指輪や結婚指輪を作ってから10年以内に1度はサイズを直します。

指のサイズが一生変わらない人は居ないからです。

この記事では、そんな指輪のサイズを直す理由やタイミングをまとめました。

特に結婚指輪を毎日つけっぱなしにしていると、体の1部となり着用している状態が当たり前になるので、事前に知識として覚えておく事でお困りの際にお役立て下さい。

 

 

サイズを直す理由

 

そもそも何故サイズ直しが必要になるのか、大きくする場合と小さくする場合の理由がこちら。

 

サイズを大きくする理由

いくつかの代表的な理由を挙げてみると・・・

  • 体重増加に伴い指が太くなった
  • 関節が太くなった

 

あくまで統計的なお話ですが、大抵は誰もがサイズを大きくする傾向にあります。

男性も女性も、必ず生活の中で指や関節が大きくなったり太くなったりしていくからです。

日々指先を使うお仕事や力が必要な仕事に従事している方々は、特に指の関節が太くなったり指自体も太くなったりし易いので、基本的にはサイズが変わり易いです。

また、結婚指輪に関しては奥さんの手料理が美味しいと話す男性程、体型と共に指も太くなっていきます。

結婚後に男性が太る傾向にあるのは、同棲が始まった事により1人暮らしの時よりもご飯が美味しくなる要因が非常に大きいですね。

女性に関しては男性のように指のサイズは大きく変わらないのですが、出産、子育て、家事などをしていく中で指の関節が必ず太くなります。

 

サイズを小さくする理由

よく聞く理由を挙げてみると・・・

  • 病気
  • 事故
  • 怪我
  • 指輪に合わせて指が痩せた

 

まだ職人人生十数年ですが、サイズを小さくするサイズ直しの方が圧倒的に少ないです。

既にサイズを大きくする理由で説明している通り、男性も女性も皆指や関節が太くなる傾向にあるからです。

サイズを小さくする理由としては病気、事故、怪我など、どれも一時的なものが多いです。

・・・がっ!

結婚指輪を日々つけっぱなしにする人に関しては、必ず左手の薬指が指輪に合わせて痩せてくれるので、例え購入時にピッタリでも緩く感じるようになります。

どれぐらいまで指が痩せるかは個人差があるので、再度サイズをはかり直しましょう。

 

 

サイズを直すタイミングや対処法

 

 

妊娠・出産

まず、妊娠したら必ず指輪を抜けなくなる前に外して下さい。

お医者様によっては、「そろそろ指輪は外して下さい」と案内される場所もあります。

何も案内されない場合は、必ず早めに外しましょう。

実際に僕は年間数組、妊婦さんの結婚指輪をカットしています。

購入して間もない状態だったりすると、余計な出費や労力となってしまうので要注意。

出産が終わって、むくみや指も落ち着いたら再度サイズをはかりにジュエリー工房へ。

サイズが変わる方も居れば元に戻る方も居るので、個人差でまちまちです。

 

指輪がきつくなった場合

きつくなってしまった場合、怪我をしないように石鹸やハンドクリームなどを使って指輪が抜けるかを試しましょう。

そのまま着けていると、最悪の場合自力では抜けなくなってしまいます。

無理にきつい指輪を着け続けると指にも良くないので、絶対に無理はしないようにしましょう。

事故、怪我、病気などですぐに指輪のカットが必要な場合は、専用工具があるジュエリー工房へ。

こちらの記事もあわせてどうぞ。

抜けない指輪は必ず工房でカット!消防署でカットすべきではない理由。

2019-05-30

 

指輪が緩くなった場合

婚約指輪や結婚指輪などのブライダルリングであれば、上記でも解説した通り、毎日つけっぱなしにしている方は必ず指が痩せてきます。

夏と冬でも毛穴が広がったり引き締まったりするので同じサイズでも指の感じ方が季節で変わりますが、着け始めてから半年から1年程指に着けていれば、そのサイズが本当にピッタリかどうか分かりますよ。

緩い指輪をそのまましていると紛失の原因となります。

特に冬場の石鹸やハンドクリームで落とす方が多く、家の中なら良いのですが旅行先などの出先などでは手元に戻ってこないことも。

実際に僕は年間1組~2組メンズかレディースのどちらかを無くしてしまったと、残った片方を持ち込み頂き同じものを作る仕事を受けています。

何十万もお金を出して2人で選んだ指輪を無くしてしまうのは気持ちも落ち込んでしまうので、緩い指輪の着用はNGです。

必ず早めにサイズを直して紛失を防ぎましょう。

 

 

ブライダルリングは必ずサイズが直せるデザインを選ぼう

 

これもまた必ず年間何組か、サイズ直しが不可能なデザインや非常に困難なデザインを持ち込むお客が居ます。

一般的なサイズ直しと比べ手間がかかる故に、どうしても修理費用が高額になってしまう場合も。

それでもまだ直せれば良い方で、デザイン的に不可能だと諦める他ありません。

故に婚約指輪や結婚指輪などのブライダルリングを僕が作る際は、必ずサイズを直したり修理、メンテナンスが可能なデザインでしか作りません。

(お客様の特別な希望が無い限りは)

また、そもそもサイズ直しが出来ない素材で作られている場合は売り切りなので、絶対にブライダルでは購入はしない方が良いです。

チタン製の結婚指輪は修理不可能&使い捨て?職人として僕がおすすめしない理由

2019-06-13

ハワイアンリングなどに多く使用される18金ピンクゴールドも銅の成分が多く含まれており、大幅なサイズ変更をすると指輪全体が割れて修復不可能になり易いので、ブライダルには圧倒的に不向きです。

(もちろんそんな事は販売員さんも知らないし教えてくれません)

個人的には18金のピンクゴールドを使用したい場合は、プラチナの上から流し込んだり、パーツとして張り付けたりと、部分的に使用する方が良いでしょう。

 

 

あわせて読みたい記事はこちら。

jewelry store

なぜ販売スタッフに押売りされるのか?押売りが発生する理由や断る方法を解説

2019-11-29