誕生石とは誰が作り、どうやって決められたのか




 

 

あまり宝石に興味がない方から、宝石が好きな方、占いが好きな方などにも幅広く認知されている、誕生石。

誕生月によって、それぞれ該当する誕生石が違います。

皆さんが何気なく生活をしていたら、いつの間にか無意識にどこからか情報が伝わり、気付いたら知っているといった方が多いのではないでしょうか。

では、これは一体誰が定めたものなのでしょうか?

歴史をさかのぼると、宝石商達と人々の生活に深い関係がある事が見えてきます。

 

 

元々、誕生石とはただの販売戦略だった

 

1900年代に入り、次々と新しい宝石が見つかったり、ジュエリー制作に関する新しい技法が考案されても、ダイヤモンド以外の宝石はまるで売れない時代がありました。

ダイヤモンドのカッティング技術が進化する程、他の宝石には無い美しさや希少価値を人々が見出したからです。また、美しいだけでなく最も高い硬度を誇り、丈夫であり使い勝手が良い事もその人気を後押ししていました。

そこでアメリカの宝石商や宝石組合が知恵を出し合い、どうしたらダイヤモンド以外の宝石が売れるようになるかを考えました。

そこで決められた基準をベースに、時と共に世界中に広がり、今日に至るのが僕達が知る誕生石なのです。

つまり、当時売れなかった宝石を誕生石に指定した訳ですね。

凄いのは売りたい商品も、その商品を売る独自のマーケットも自分達で全部作り出してしまった事です。そしてそれがしっかりと世界中に広がり定着しています。

昔の人達にもこんな天才的な発想をする方々がいらっしゃったんですね!

 

 

国によって変化する誕生石

 

世界中に広がった誕生石文化は、その伝わった先の国々で少しずつ変化します。

それぞれの国に居る宝石商や職人達が、自分達の扱いやすい宝石を誕生石に追加し、指定していったからです。

例えば、とある国では他の国よりも水晶が多く採掘されるので、水晶を販売すべく誕生石に加えて宣伝するといった具合です。

では日本では、それぞれの誕生月にどの誕生石が割り当てられているのでしょうか?

一般的に誕生石としられている宝石を見ていきましょう。

 

 

日本国内で普及している一般的な誕生石

 

以下、一般的に最も多く国内で普及している誕生石の英語名と和名のリストとなります。

※ こちらに記載している宝石以外にも、ブランドや工房によっては追加されているものもあります。

 


 

1月: ガーネット 和名は柘榴石(ざくろいし)

2月: アメシスト 和名は紫水晶(むらさきすいしょう)

3月: アクアマリン 和名は藍玉(らんぎょく)

4月: ダイヤモンド 和名は金剛石(こんごうせき)

5月: エメラルド 和名は緑玉、または翠玉(りょくぎょく、すいぎょく)

6月: ムーンストーン、パール 和名は月長石(げっちょうせき)、真珠(しんじゅ)

7月: ルビー 和名は紅玉(こうぎょく)

8月: ペリドット 和名は橄欖石(かんらんせき)

9月: サファイア 和名は青玉(せいぎょく)

10月: オパール、トルマリン 和名は蛋白石(たんぱくせき)、電気石(でんきいし)

11月: シトリン 和名は黄水晶(きずいしょう)

12月: タンザナイト、トパーズ 和名は灰簾石(かいれんせき)、黄玉(おうぎょく)

 


 

 

※ 国内では多くの人がアメシストの事を “アメジスト” と呼ぶ方が居ますが、間違った呼び方なので注意が必要です。

 

ここに記載されている宝石は1つの名前で記載されていても、色味や形状のバリエーションが複数ある宝石も多く含まれています。

例えば1月のガーネットであれば、赤、濃いオレンジ、薄いオレンジ、ピンク、緑、黄、紫などのものが存在します。

一番多く出回っているのは、少し濃いオレンジが入ったアルマンダインガーネット、THEガーネットといったらこれですね!

深い濃い赤のパイロープガーネット、赤みが薄れ全体的にピンク色のロードライトガーネットといった具合です。(これは数あるガーネットの種類の一部です)

また、日本はパール(真珠)の養殖に成功し、世界的にも質の高いパールを生産する事で有名になった国なので、ブランドによっては6月の誕生石としてパールを用いる事が多いです。

それぞれ和名を見てみると、1月のガーネットであれば柘榴(ザクロ)に似た色から柘榴石と名付けたり、見た目の色から連想するものを名前として使用している事がよく分かります。

ダイヤモンドの金剛石という和名も、その特殊な硬度を示す名前としてはピッタリですね。

元々は戦略的なマーケットとして作られた誕生石であっても、今では多くの人が自分の誕生月の誕生石に、特別感を感じる人も多いはず。

ジュエリーを購入したり、オーダーする際は自分の誕生石のものを、1つは持っておきたいですよね!

ここで紹介した宝石も含め、更に詳しく宝石図鑑カテゴリーを作り、随時情報を追加していきたいと思います。