購入する時は高額な割りに、いざ使用していたジュエリーを買い取りや下取りに出したら安かった。
こんな経験はありませんか?
「買った時はあんなに高かったのに・・・。」と、その金額に驚く方を仕事で常に見受けます。
結論から言うと、購入時の金額は全くあてになりません。
この記事では、なぜ購入時の金額は買取り価格や下取り価格に影響しないのかを解説します。
買取りと下取りの違いについては、こちらの記事をご覧下さい。
ジュエリーの買取りや下取りは貴金属のグラム計算が基本
記事冒頭に貼った、買取りと下取りの違いを解説する記事でも触れましたが、買取りや下取りはほとんどの場合はグラム計算となります。
留まっているダイヤなどの宝石、加工された装飾などは金額に影響せず、純粋なその日の貴金属相場価値で金額が決定します。
貴方が3グラムの宝石が留まっていない、地金だけで作られた18金の指輪を買取りに出したとします。
その日の貴金属相場は、株価や原油価格と同じように週末以外毎日発表されているので、その時のグラムあたりの相場価格x3(グラム) - 手数料が貴方に支払われる金額となります。
買い取りに出す際に知っておきべき事
出す場所によって価格が違う
なぜそもそもスーパーやショッピングモールの一角に下取り屋が多くなってきているのか。
答えは単純で、儲かるからです。
グラムあたりの相場が全国共通して決まっているなら、どこに出しても同じでしょ?
と思うのが消費者心理。
もう使う予定がない不要な品を買取りに出すなら余計にそう思ってしまいます。
しかしながら、実際は出す場所によって全く買取り価格が変わってきます。
その日のグラム相場価格 x グラム数 - 手数料 = 買取価格
と言いましたが、出す場所によりこの式の手数料が変わってきます。
買取りに出すなら地金の取り扱いがある業者へ
どんな貴金属でも、基本的には地金取り扱い業者へ買取りをお願いするのがベター。
理由は地金の取り扱いが無い業者と比べて手数料が安く、正当な相場価格で買い取ってくれるからです。
国内でメジャーな地金取り扱い業者の1つは、例えば中田貴金属。
宝飾業界の様々な企業も、毎朝田中貴金属で発表される貴金属価格情報を見て仕事を調整しています。
東京だったら宝飾品の問屋街である御徒町であれば、多くの地金取引が可能なお店が軒を連ねています。
その日の買取相場価格を店外に電子パネルで表示しているお店もある程。
このように買取りをしてくれる業者が集中している場所では、1社だけが高額買取をするという事は価格競争が故に無く、大抵はどこに出しても金額に大差が無いので安心です。
地金の取り扱いが無い業者へ出すと手数料が高くなる仕組み
買取は出す場所によって手数料が変わってくると言いましたが、ではなぜこの手数料が変わってくるのか。
地金の取り扱いが無い業者は自分達で地金売買を直接していない為、換金したり地金に精製するには大手卸売り業者などを通す必要があります。
つまり、お客さんから買取りをお願いされた品を田中貴金属のような買取業者へ出し、自分達も手数料を払わなくてはなりません。
お客に買取り価格を提示する際、この手数料にプラスして、自分達の利益を上乗せしている訳です。
この二重の手数料により、地金の取り扱いが無い業者へ出す方が買取価格や安くなる、という仕組みになります。
手数料が変わると解説してきましたが、地金の取り扱いが無い業者の多くは “手数料” という表現をしない場合が多く、買取の計算式の中に手数料分を含む倍率や価格で計算をします。
例えば金のグラム税込み買取価格が6,000円の日に、5500円で計算されたり、計算式の中で1以下の倍率をかけられている場合、地金を買い取る業者の手数料が含まれています。
実際には手数料が高くなっている訳ですが、業者側がお客に手数料は○○円です、といった提示はされないという事ですね。
悪徳業者に注意
少し手数料分の金額が上乗せされて取られているならまだしも、凄い安い価格で買い叩いてくる業者の話も今でもお客から聞きます。
こうした業者はお店というよりかは、駅周辺やショッピングモールなどにあるプレハブ小屋をちょっと装飾したような簡易的なお店に多いです。
手数料分を差し引いたとしても、その日の相場から明らかにかけ離れた金額で買い叩かれそうになったら、焦らず別の場所でも見てもらいましょう。
買取に出す地金の量が多い程、大きな損出となります。
交通費で買取り金額が安くなってしまっては意味がない
さて、ここまで散々地金の取り扱いがある業者を勧めてきましたが、近所の買取屋に出しても良い例外があります。
いくら高く買い取ってくれる業者やお店があったとしても、バス、電車、ガソリンなど、交通費を差し引き貴方が得るトータル金額が低くなってしまっては意味がありません。
少しでも高く売りたい方で公共交通機関を使わないといけない場合は、往復する交通費も考えて計算すると良いでしょう。
特に足腰が弱い高齢の方に関しては、そこまでに至る時間や労力も考え検討する必要があるのではないでしょうか。
その他、買い取りや下取り時に必ず注意したい事はこちらの記事にまとめました。