付き合っているパートナーに婚約指輪を贈るプロポーズ。
そんな人生の大きなイベントに、サプライズを用意する方も多いのではないでしょうか。
とても素敵な考えですが、計画や内容は本当に大丈夫ですか?
「ロマンチックな演出で彼女にサプライズをしたい!」という方達の中でも、一定数の方達は失敗しているのが現実です。
僕は年間200組程仕事でカップルを見てきましたが、サプライズプロポーズが逆効果となってしまい、失敗談としてお客様からお話を聞かせて頂く事も多々ありました。
多くの男性や女性が憧れる箱を目の前でパカッと開けるプロポーズ。
サプライズプロポーズで1番多いパターンのサプライズですが、1番失敗する割合も多いサプライズなのはご存じですか?
このプロポーズ方法、実は相手の希望や好みを熟知していないと大きな賭けとなります。
素敵なロケーション、シチュエーション、演出が揃っていても折角のプロポーズが失敗しては勿体無いですよね。
この記事では、パートナーに「違うデザインの指輪が良かった」と後悔をさせない方法を紹介します。
プロポーズ自体の成功率を確実に上げるものではありませんが、後々パートナーが後悔しない方法としておすすめします。
よく聞く後悔体験談
僕がお客様から聞いてきた中でも、よく聞くサプライズプロポーズの後悔例を挙げてみます。
- サイズが合わなかった
- デザインが好みじゃなかった
- 違う素材にしたかった
- 欲しいブランドが決まっていた
- 2人で選びたかった
婚約指輪と共にサプライズプロポーズをしてもらった後に、贈られた側からこうした感想を頂く事が多々あります。
サプライズプロポーズで失敗しない為の条件
まず、サプライズプロポーズを成功させる為にはパートナーの左手薬指のサイズを知ること。
そして当然の事ですが、欲しい指輪のブランドやデザインなど事前に把握しているとベストです。
この2つが最低条件と言えるでしょう。
サイズを調べておく
指のサイズがいくつなのか、サプライズを用意していると悟られないように、何気なく出掛けた際にジュエリーショップなどで測ってもらうとベター。
「一緒に出掛けてサイズを計測したらバレてしまう」と不安な方は、普段パートナーが身に着けている指輪などのサイズを調べておくと良いですね。
薬指用のリングじゃなくても、他の指に着けている指輪をこっそり借りてお店でその指輪のサイズを測り、おおよそのサイズで用意し後からサイズを直すという手もあります。
過去には、「彼女が寝ている間に指にリボンを巻いて長さを測ってきました。」というお客様もいらっしゃいました。
納品後にもちゃんとサイズがピッタリだったと報告も頂いています。
(凄い徹底ぶりですね!)
何かの紐やリボンで測る際は、きつ過ぎず緩過ぎずピッタリ気味で測る事が重要です。
指の1周の長さが分かれば、おおよそのサイズの計算が可能です。
好みのデザインを事前に聞いておく
パートナーの好みはシンプルですか?カジュアル?それともシックでしょうか?
シンプルなデザインが好みの方に凄いラブリーなデザインを選んでしまっては、指輪も即タンスの肥やしとなるでしょう。
好みのブランドやデザインなど、既に希望がある場合はよく聞きだしておきましょう。
また、このデザインの中には素材も含まれます。
婚約指輪(エンゲージリング)であれば、
- プラチナ
- 18金イエローゴールド
- 18金ホワイトゴールド
- 18金ピンクゴールド
が素材強度的には一般的です。
※ ただし、18金ピンクゴールドは銅成分を多く含み大きくサイズを直す事が困難な為、個人的にはブライダルリングにはおすすめしません。
使用するとしても、デザインの1部。
例えばプラチナベースのリングに溶かして流し込み色を付ける場合や、パーツとして張り合わせるものにアクセントとして使用するなど。
絶対に失敗しない婚約指輪の渡し方 + サプライズプロポーズ方法
さて、ここからが本題です。
世の中には様々なサプライズ方法があり、失敗してしまう要因も様々だと思います。
そこで!デザインやサイズ的に絶対に失敗しない、僕がおすすめする方法があります。
それは、ダイヤモンドとリング枠を別の機会に分けてパートナーへ贈る方法です。
具体的な方法
まず、事前に宝石店などでダイヤモンドを購入しておきます。
そしてサプライズプロポーズ当日に渡すのは、事前に選んでおいたこのダイヤモンドのみ。
そこでパートナーに伝えます。
「君とこのダイヤモンドに似合う指輪を2人で作りに行こう(探しにいこうでも可)」といったニュアンスの言葉を伝えます。
プロポーズOKをもらった後、ジュエリー工房にダイヤモンドを持ち込み、そのダイヤモンドに合う枠を作ってもらったり、ダイヤモンドに合わせて枠を加工してもらいます。
以上が絶対に失敗しないサプライズプロポーズ方法となります。
ダイヤモンドと枠は別々のお店で選んでも良いですし、同じお店で全て計画を伝えてお手伝いしてもらえると更に良いでしょう。
因みにこの方法をお客様に提案し続けて6年程経ちますが、今のところ失敗の報告はありません。(少なくとも仕事で相談されたお客様に限っては)
ソリテールリングなどの1粒ダイヤモンドリングの場合
多くの方に選ばれる立爪タイプの1粒石リング。
中央にダイヤモンドが留まっている、皆さんがよくイメージする “ザ・エンゲージリング” といったデザイン。
ソリティアやソリテールリングと呼ばれるこの種類は、センターにセットされるダイヤモンドは0.3ct前後というのが定番。
しかし、貴金属の相場があがり全体的に値上がりが続くここ10年程は、商品の価格を抑える為に0.1ct ~ 0.2ctのダイヤモンドも使用されるようになりました。
もし選んだ婚約指輪がこちらのタイプであれば、このサプライズ方法は贈るダイヤモンドの見栄えも良くピッタリです!
地金タイプのリングの場合
立爪1粒石タイプのような大きなダイヤモンドをあしらったデザインではなく、小さなダイヤモンドがリングに埋め込まれたものや、シンプルな地金タイプのリングもエンゲージリングとして沢山のデザインが存在します。
このタイプでも同様にダイヤモンドを事前に購入し贈る事が可能です。
ソリテールリングに留まるような大きな1粒ダイヤモンドではないので一見少し控え目に見えますが、何も確信が無い中で決行するサプライズプロポーズと比べると、失敗するリスクが大幅に減る事は間違いありません。
小さなダイヤモンドが散りばめられたデザインを選ぶ前提であれば、宝石の色が目立つケースに小さなダイヤモンドを入れてもらうと見栄えも良いでしょう。
このサプライズプロポーズが成功する理由と最大のメリット
僕が紹介した方法でプロポーズして頂くと、何故後々の満足度が高くなるのか。
いくつかのメリットが挙げられます。
パートナーの希望のデザインに仕上がる
まず相手の希望を聞きながらデザインを絞っていくので、「このデザインは好みじゃなかった」といった後悔はしません。
2人が長く着用する一生ものだからこそ、この部分が1番重要だと思います。
例えば、かなり自由度が高く細かい部分まで注文出来るオーダーメイド専門店では、極端に言えば2人が絵に描いた形をそのまま制作してくれます。
それぞれ別の素材を使用したり、好きな位置に好きなカラーのダイヤモンドを埋め込んでくれたり、デザインもかなり細かく伝えた通りの形に整えてくれるのです。
パートナーの好みを直接聞きながらデザインを膨らませてあげる事が出来るので、パートナーの満足度も必然的に高くなり、「自分の希望を叶えてくれた」という想いが形となって残ります。
ピッタリのサイズに調整が出来る
どういった工房にお願いするかによっても変わりますが、実際のサンプルなどを指に通しながらサイズをプロに測ってもらった方が、最終的に仕上がる指輪の方がパートナーの指にピッタリとフィットします。
工房によってはサイズを0.1番刻みで調整してくれる事も。
大抵のサプライズプロポーズの場合は、サイズは入るけどピッタリじゃない事が多いので、ほとんどの方が後からサイズを直しに指輪を工房に持ち込みます。
大幅なサイズ変更でなければ問題はまず無いのですが、一生使い続けるものなのでサイズを直す回数は極力少ない方がダメージも少ないので望ましいです。
(どんな素材でも共通)
2人で選ぶ事が一生の思い出になる
サプライズで色々と考えてくれる事も時には大きな評価に繋がりますが、2人で相談しながら選ぶ事も楽しい一生の思い出として残るはず。
“自分の為にダイヤモンドを事前に選んでくれていた” という喜びと、”一緒にダイヤモンドに合う枠を選んでくれた” というダブルの喜びや幸福感が得られます。
余裕があれば、是非来店している様子や相談している2人の様子を写真に収めてみて下さい。
店舗スタッフなどに頼んでも良いですし、記念に写真に収めておけば後で振り返った際に素敵なシーンとなりますよ。
まとめ
好きなデザインやブランドが明確に決まっている場合は、相手が希望する品を渡すのが1番でしょう。
そうでない場合は、今回の記事の内容のように少しでも相手が長く使ってくれるにはどうしたら良いかを考えてあげてみて下さい。
いつの時代もサプライズプロポーズには賛否両論ありますが、後悔させない為に出来る準備や、おさえておくべきポイントの参考になれば幸いです。
デザインやサイズ感の事を考えると、長く着用する為にピッタリのサイズで作る事を個人的にはおすすめします。